今年の夏はどこへ行ってしまったのでしょう。日本でもこちらでも、まだ夏らしい季節になってない様に思います。
それでも、七夕を迎え室礼をその様に整え、時の移ろいを感じられる様にお稽古します。瀧の一行はこの気候ではいかにも寒々しく、なんとも言い難いものです。
さて、七夕 乞巧奠 の茶杓のご銘が今年も出てきました。
芸事の上達を祈願し神に祈る、遠く平安の昔から伝わる宮中文化として 今では形を変え、七夕の短冊に願いを認める、夏の風物詩となりました。
七月のお稽古で 円能斎好みの亀蔵棗が登場しますが、特に夏に限った棗ではないとのことですが、星をイメージするとどうしても 使いたくなるのはなぜでしょう。
ずっと、星の合わせ方が分からず、やっと今年は解決することができました。
数の生数と成数の組み合わせだったのですね。1から5までを生数、6から10までが成数。蓋に1から4の数と 甲に5と10、身の方に6から9の成数。
これを1と6、2と7という風に組み合わせていきます。これらは 天と地が合わさり、初めて生きた数となると理解しました。
天は1をもって始まり水を生ずるが、地は6をもって流れを潤す、地は2を持って火を生じ、天は7をもって火を成して光り輝く、天は3をもって木を生じ、地は8をもって木を成し成長させる。地は4をもって金を生じ、天は9を持って金を成し飾り、天は5をもって気を中央に集め土を生じ、地は10をもって土を成し天地全てを整える。(抜粋引用)
天と地は対になって初めて一つであるということ。陰陽によって全てが生かされるのですね。